My Sweet Home

昨秋は我が家にとって、ちょっとばかり大きな事件が続いた。


とある夜のこと。
帰宅が遅くなったので夫と駅で待ち合わせ、一緒に家に帰ってきた。
玄関を開け電気をつけた途端、彼がいきなり 「うわっ!」と大声を上げ
「な…何アレ〜?」と、私の背中にしがみついた。


彼の指差す先には、コンクリート板のかたまりの様なものが
4畳半の和室を突き抜けて、廊下と玄関のタタキにまで沢山飛び散っている。
おやおや。


当時住んでいた家は職場の宿舎だったが
築40年をとっくに越えた、昭和の香りバリバリの集合住宅だった。
規約上、何か屋内で不具合が生じても、個人で勝手に修繕することは許されず
トラブルが生じたら、まずは職場の管理組合に話を通すことになっていた。


夜も遅いし疲れたし、このまま他の部屋で寝てしまおうか、とも思ったが
一応、もしもの時には公的文書…と思い立ち、警察を呼んだ。


実は実は…この宿舎、それまで何度もピッキングや空き巣の被害に遭い
相当額の損害を出した因縁の住処なのだ。
おまけに敷地内に「関係者以外」が立ち入って、誘拐未遂事件を起こしたり
玄関の新聞受けのところから、火のついたたばこを投げ入れられ
何度かボヤ騒ぎを起こされたこともある。


一応は「文教地区」に指定され、それなりに民家も並ぶエリアではあるが
家のセキュリティも個人責任の時代になってきたのだな、と思ったものだ。


さて、散らばったコンクリートのかたまりをよ〜く眺めてみると
片側には見慣れた木目の模様が、そしてその裏面には
なにやら靴あとのようなものが沢山ついている。


警察の人と共に室内に入り、現状を見て思わず「わはは!」と笑ってしまった。
・・・天井が、ない。
「老朽化が原因」と言われたが、コンクリート製の天井板が丸ごと
どすん!と抜け落ちたらしい。


こんな機会、滅多にないワ!と携帯で写真を撮っていたら
「あのネ〜、笑ってるけどこの天井板、かなりの重量があるから
この下で寝てて落ちてきたら、間違いなく即死してるよ」と言われ肝を冷やした。


宿舎の格安家賃と自分の命、どちらを優先する〜?と、迫られた様なものだ。
ちょうど時期的に夫の異動もあったので、思いきって転居を決めた。
とりあえず、夫の配属先が確定するまでほぼひと月
家財道具は引越し業者のトランクルームに預け、我々はマンスリーマンションへ。
「全国転勤」を宣告されていたので、仮の我が家にまずはお引越しである。


ロフト付きのマンスリーマンションも、斬新でそれなりに楽しかったが
入居の契約期限はクリスマスイブイブの午後5時。
夫の異動先も発表になり、ジングルベルの曲にのって最寄駅周辺の不動産屋を
巡り歩き、目についた物件をひとつひとつ見て回ることになった。


大手チェーン店もあれば、地元に強い老舗もあり
接客スタッフも千差万別だった。物件は良いのに、ビジネスライクなスタッフ。
逆に、どう見てもコレってなしでしょ…と思う物件なのに、気が効く仲介人。
かなりの数を回ったが、正直、どれもピンとこなかった。


マンスリーの契約切れまで残り10日程になった時
夫が息せき切って帰ってきた。
「ね〜ね〜、駅前に夜10時までやってる不動産屋さん、見つけたぁ!」


時間は夜の9時を回っていたが、まだやってる!と思い早速たずねてみると
同年代の女性が「こんばんはぁ〜」と、にこやかに出迎えてくれた。
先に夫がちょこっと店舗に立ち寄って、概略を話していた様で
リクエストした条件に合う物件を手早く4、5件紹介してくれた。
「明日の朝、早速見に行きましょう。9時に店舗集合〜!」と話が早い早い。


いただいた名刺には、店舗名と「代表取締役」と記された
その女性の名前がフルネームで印刷されていた。
うわ〜〜〜〜〜〜!かっこいい!不動産屋さんの女性社長さんだ♪


何だか一気にホッとする思いが湧いてきて、昔からの知り合いのように
冗談を交えながら、出していただいたお茶をお代りまでして雑談してしまった。


翌朝1番で見に行った物件が一目で気に入り、そこを契約したが
物件以上にもっと気に入ってしまったのが、その女性社長さんだった。
私よりひとつ年上の女性だが、鮮やかな仕事ぶりとお人柄がホントにステキ。
相当な腕利き…でもあろうが、女性ならではのさりげない気配りが光っている。
何よりハナシがとっても面白い。


気がつけばいつの間にか、お互いを名前で呼び合う仲?になり
「近くまで来たから」とおやつ片手に店舗をたずね、近況報告をしたりする。
先日は用事があったので、彼女に自宅まで来てもらうことになった。
約束の時間通りにインターフォンが鳴り、出てみると
森三中の大島でぇ〜す」と、手土産まで持って笑いながら玄関に立っている。


長かった髪の毛をばっさり切って、かなりの夏仕様だ。
でも、それが凄く似合っている。
「や〜ね〜、もう!」と大笑いしながら一緒にお茶を飲んだが
喋っていると楽しくて楽しくて、ついつい時間を忘れてしまう。



ちょっと宣伝しちゃお^^♪
JR南浦和駅東口にある
かなえホームズの社長さん→


人と人とのご縁って
まさに一期一会なのだけど
素敵な我が家のご縁も
この出会いもず〜っとず〜っと
大切にしたいと思った。


彼女の素顔が見たい人は
お店に行くべち♪
きっと素敵な笑顔に出会えます。