寂しくないように

いくつになっても、入院は心細い。
私も乳がんの手術をした時は、3泊4日の病院ステイだったが
それでも、早くお家に帰りたいなーと、ほとほと思った。



それを思うと、父はなんて忍耐強く現状を受け入れているんだろう、と
心底感心もするし、全く頭が下がる思いがする。



この夏の酷暑の時に、今の病院に転院したが
あっという間にこの冬一番の寒い日を迎え、来週はクリスマスだ。



正直、いつどうなっても…と院長からのムンテラがあったが
家族としてはドキドキな日の繰り返しである。
日に日に目に見えて状態は良くない方向へと向かっており
それでも、ちゃんと面会に行けば目を合わせてくれる。



ふと、父が夜、ひとりで寂しくないように・・・と
7色の灯りが点灯する雪だるまの人形を買ってみた。



殺風景な病室に、一瞬でもホッと和むものがあるのは嬉しい。
父の目がちゃんと雪だるまちゃんをとらえられるようにと
体の向きに合わせて置いてみる。



父と母と私との、親子だけの時間。
「お父さん、頑張って〜」と、母が雪だるまを手に笑いながらそっと言った。



やさしい時間が生まれた気がした。



今日も生きてくれて、ありがとう。
父が寂しくないように、神様、どうかお守り下さい。