平日ランチ

アラフォー世代に突入すると、今までと違った日常がやってくる。



何より、世代間の力関係が微妙〜にずれてくるし
さりとて、周囲の友人・知人達ももれなく一緒に年をとるので
自分だけが「四十過ぎ」 になるわけでもなく
なんというか、自分のことだけに構っていられなくなるというのが本音。



勿論、既婚か未婚か、子供がいるかいないか
外で働いているかどうか、親と同居か別居か…
それぞれの生活環境にもよるけれど
ここ数年、友人たちと集まると「親の介護」の話題がおのずとわいてくるのよね。



年代的に、親たちの世代も後期高齢者
あるいはそれに近い年齢になってきたんだな〜って思う。



私は親の介護を始めて、23年目を迎える。
23年…といえば、「オギャ〜!」 と生まれた赤ん坊が
ストレートで4年制大学を卒業し、社会人として巣立っていくだけの年月よ。



私は二十歳を過ぎた頃から、父親の介護が日常となり
同年代の人たちとは随分違った毎日を過ごしていたみたい。



会社に就職してOLをやり、三十路手前で結婚もした。
家庭を持ったことで、更に忙しくなったけど
自宅と実家が近隣の市だったので、随分と助かったなぁ〜。



ただね。
仕事ならちゃんと休日や休暇もあるけれど
在宅介護に休みナシ!



昼も夜も24時間体制である。



仕事は誰かがフォローしてくれても
家族の介護は、誰も代わってくれないからねぇ。
「タイヘンねぇ〜」 とは言ってくれても、生身なんだから疲れるのよ。。。
そして自分が寝込んでしまったら、それこそ共倒れ…。



父の入院中、母も看護疲れで入院し
仕事の合間を縫ってそれぞれの病院に着替えを取りに行ったり
家の管理や諸々の支払いやら何やらで
20代だからこそ、若さで突っ走って行けたんだな、きっと。



本当にいろいろなことを体験してきたけれど
人間、肉体には限界がある様で、数年前、今度は私が乳がんに〜。



病巣が全部摘出出来たので、定期的な通院だけでOK!になったけど
術後3日目の朝には退院し、家で洗濯してたもんなぁ〜。
ホント、ゆっくり休めたのは手術日当日と翌日だけだ。



・・・このまま同じ生活を続けていたら、マジで私死ぬかも〜と思い
思い切って仕事を辞めた。



子供は年々育っていくけれど、高齢者はそうはいかない。
年々どころか、あっという間にアチコチの機能が衰え
ますます手がかかるようになる。



専門家の手に委ねても、介護を担う家族としては
いつも心のどこかに「重荷」 は残るんだよね。
家族支援の手って、どこまでも求められるのだなぁ〜と
日常について回る介護のことを深く考えた。



そんな折、「たまにはゆっくりランチでも〜」と古い友人に誘われ
お洒落なイタリアンのお店に行ってきた。



「平日ランチ」 だよ〜〜〜〜〜ん!
仕事をしていた時は、全くの別世界・自分には無関係のものって思ってたけど
へぇ〜〜〜、結構混んでるんだ。。。



平日の昼間って、時間の流れまで違う感じ。
ゆったりした空間に、耳に心地よいBGM。
厨房から漂ってくる、オリーブオイルでにんにくを炒める香ばしいかおり〜!



むふふふふふ^^
この雰囲気、とっても新鮮かもよ〜。



運ばれてきたパスタを見て感動!
・・・かに、だ。

食して、更に感動〜! 美味しいよぅ♪



誘ってくれた友人も、働きながら親の介護が始まったというひとり。
なんでもそうだけど、この手のハナシは同じ体験をしている人の方が
気持ちや苦労を分かち合いやすいのよね。



そのレストランには、自転車で駆けつける若いお母さんたちや
小さな子供を連れて周囲を気にする風でもなく、おしゃべりに夢中なママたちもいたし
少し年上のマダムたちが、趣味の話に花を咲かせたりもしていた。



食後のコーヒーをいただきながら
「平日ランチ」も、なるほど…いろいろ事情があるんだなと思った。