踏み切りのある風景

昨日の日記にも「介護」 のことをちょっと書いたけど
今日もその続きをちょこっとネ。

父は大陸で生まれ育ち、成人になってから日本に戻ってきた。
風土病…というわけでもないのだろうが
日本ではあまり馴染みのない難病と診断され、もうかれこれ四半世紀が経つ。

医者の診断によると「後縦靭帯骨化症」 というカテゴリーに分類されたが
指揮者の岩城宏之さんも同じ病で、入院・手術をしたのだっけ。

難病・・・と言うくらいだから、原因も判然としないらしく
処置としては、外科的方法を持って圧迫されている神経を少しでも開放することだけ。

放っておくと首から下の身体機能が使えなくなり
程なく寝たきりで動けない生活になると言われ
更には、最悪、死に至るといわれた。もって半年、だとか。

すぐにでも首の骨の詰まっている部分にメスを入れ
何とか最悪の事態からの回避を測らねば･･･ということだったが
父の場合、厄介なことに詰まっている箇所が
心臓や肺に行く神経のあるところだったので、手術を躊躇っている時間はなかった。

勧められるままに、東京の総合病院での手術と
その後のリハビリなども含めると、丸３年以上の入院生活になったけど
一命は取り留めたんだよね。

その後、一旦は家に戻ってきて室内も屋外も車椅子の生活にはなったけれど
唯一、自分の意志で動かせる右手の親指と人差し指を使ってパソコンに向かい
自分史を作り上げ、出版社から本を出したり（←我が親ながら凄い！と思うヨ）
仕事と趣味の延長で、アマチュア無線に精を出し
市の防災連絡などの協力会員にもなった。

でも。
半年前・・・いや、春までは出来ていたことが夏には出来ない。。。
昨日は調子がよくても、朝目覚めたら一気に具合が悪くなっていたり、と
ここ数年はホントに目を離せなくなってきて
季節代わりの時期や、暑い時期を迎える時など
しばしば病院のお世話になることになり、入院ばかり〜ダ。

ぶっちゃけ、暑い時期の見舞いは、移動だけでも疲労度がアップだ。
それに、入院となるとかかる費用だってバカにならないのよ。
大部屋ならまだしも、個室だと部屋代は容赦なく加算されるし
私たちの交通費だってタダじゃない。

病院側の依頼でね、誤嚥防止のために食事時の見守りをお願い！って言われると
連日、７時半〜夜の面会時間終了の８時まで
ずーっとずっとずっと・・・病室に居ることになる。

これ、物凄いストレスなんだよね。
駐車料金だけでも１時間２００円だもの（泣）
・・・無職のワタシには、ツライ出費よ。

たまに耐えかねて、昼食と夕食の間の数時間、病院を飛び出し
車で５分くらいのところにある大型ショッピングセンターに行き
そこの駐車場に車を停めて昼寝をしたり←勿論、仮眠よ〜
買い物ついでにアイスを買って食べたりしてるけど
こちらの精神状態もキープしておかないとね。

つくづく思ったネ。
身体のｃａｒｅ や ｃｕｒｅ は専門家に委ねることは出来ても
家族の心のケアって、出来る人は限られているんだなぁ〜って。

これを「犠牲」 と呼ぶかどうかはそれぞれだけど。。。
やっぱり、ある時期は仕方ない。

さて。
そんな生活が日常だけど、たまには私にも予定が入る時がある。
今回は不定期なお仕事が入ってきて、昼間は病院行きをお休みした。

流石に夜は顔だけでも見せねば･･･と
電車で病院の最寄り駅まで移動し、そこから歩いて１０数分。
車に慣れてしまうと、歩きはツライぞな。

時計を見ながら、「遅くなっちゃったな〜」 なんて思いつつ
今度は帰宅してからの家事の段取りなどを
頭の中でシュミレーションしている。

早く帰りたいな…と思った時だった。
急に踏み切りの警報機が鳴り始め、それが思いのほか大きな音でビックリ！
ゆっくりと目の前を遮断機が降りて行くのを見ながら
どんな電車が来るんだろ〜と
普段はあまり目にしない光景にちょっとワクワク。

あっさりと通過していった列車は、帰宅ラッシュのすし詰め状態。
途中で逆側の赤い矢印が点灯し
「反対側からも来るよん〜」と警報機が告げた。あ、そ。

そして少しの間をおいて、双方向の矢印がともった。
あら〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。何と言うこと！
２本目の列車はすぐに来たけど、もう１本が来ないぞー！
こういう時間って、ホントにじれったいよね。

反対側からやってきたのは、長い長〜〜〜い貨物車両だった。
とりあえず、コンテナの数は２０まで数えたけど、まだまだ続く。
疲れたな〜と思った。

通過していく車両が♪どどん、どどん〜
って音を上げているのを聞いて
今夜の食事、ケッテイ！

今夜は牛丼、買って帰るぞ〜ぉ。
たまには主婦も手抜きさせて貰おう。

帰宅して、洗濯機を回しながら
あたたかいお味噌汁を作り
買ってきた牛丼で夕食。
今日も無事に終わったね^^