お家を楽しむ

そういえば・・・、と思った。
私は生れてこの方 「戸建て」という家には、住んだことがない。
のっけから、西洋長屋ともてはやされた(らしい)集合住宅の住人であった。


ワンフロアが用途に応じて仕切られ、家の中全てが 「四角」という感じだが
家具や家電の形状とマッチするので、生活するには非常に便利なことが多い。
玄関の鍵1本でササっと外出出来るし、庭がないので草むしりとも無縁。
まぁ、無駄がないかわりに、集合住宅って 「遊び心」もないかもね。


あとは、雨戸や戸袋、雨どいなども今までの生活の中にはなかった。
夫の実家に泊まりに行った時、朝になってもなかなか陽の光が部屋に差し込まず
おかしいな…と思ってカーテンを開けたら、ガラス戸の向こう側に鉄板が見え
「うわ〜〜〜、何コレ!? 一体、何なのぉ〜!?」と本気で驚いたことがある。


「あ? 雨戸? コレ開けないと、いつまでも朝は来ないよー」と
夫は寝ぼけ眼をこすりこすり、大きなあくびをしながら言ったが
アマド ヲ アケル・・・ってどうやるのよ、と思いっきり考えてしまった。


仕方なしにまず、部屋の電気をつけて、どれどれと横にスライドさせてみるが
ぴくりとも動かない。なんで?????


開かないわぁ〜と、しばらくガタガタ揺らしていたら、夫が洗面所から戻ってきて
「雨戸の開け方も知らないのぉ?」と、ちょいと小ばかにした様な口調で言った。
そして、ロックをパチン!と外して、するする〜〜〜っと全ての雨戸を収納した。


ほ〜〜〜、見事なもんだ。生雨戸、初めて見たよ。


ついでに 「雨どいに枯れ葉がたまって、雨がきちんと流れないんだってサ」と聞き
戸建てにあるいろいろなものを、間近で覗きたくなってしまった。


マンションには個別の屋根などない。そして、土がないので跳ね返りもない。
降った雨も、ベランダの端っこにある排水口にしゅるしゅると流れていくので
雨どいと言っても、太いパイプが居室の外側に1本あるだけだ。


「まさか、雨どいも見たことない、なんて言わないよね?」という夫に
「地域の流しそうめんの時に使ったジャン」と言ったら、本気で呆れられた。。。
戸建てもマンションも、それぞれに利点欠点はある。


私は今住んでいる家が、大好きだ。
たまたま空きがあったのが、某ビル内にある居住スペースでしかも角部屋。
端の1室だけ玄関が少し奥まっていて、表から直接見えないのだ。
なんというか、ちょっとした隠れ家っぽくて、これもなんとなく楽しい。


そして窓が多くて、とにかく明るい(←ガラスの掃除は大変だけどね:笑)。
上下と片側には他の居室があるので、今年の年始はファンヒーターなしでも
十分に過ごせてしまうほど、室内が暖かかった。


集合住宅:居住暦40年を越える私と、そこそこ広さも庭もある戸建ての実家から
いきなり西洋長屋住まいとなった夫。
当然、私達の 「生活」に対する価値観の相違はかなり大きくて
Simple is Best が心地よいというより、予備を持たぬ生活が彼には不安の様だ。
でも、それも慣れ・・・なんだよね。


ちょっとだけ、我が家の様子をお見せしましょか♪
特別サービスよ^^


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ココ、うちの玄関―――→
下駄箱は備え付け。


フローリングの床は
掃除がとってもしやすくて
助かってしまう。


台所やトイレ・お風呂場まで
ずっと段差がないので
足の悪い義母が遊びに来ても
大丈夫だったみたい。


最初からバリアフリーだと助かるワ。



はい、どうぞずずずい〜っと
お入りくださいまし^^


右手にキッチンがあり
そこにある窓がとても大きいので
手元が明るくて、好きー。


左手にはかなり大きな
Walk in 収納の部屋?があり
これがまた、とっても便利。


南向きに和室がふたつ。
モノが少ないと掃除も楽よ〜♪



で、ココが私の部屋―――→
何も置いてませんー^^
布団敷いてゆっくり寝るのだ〜。


押入れの上段に突っ張り棒を張って
服や小物はソコにかければOK。
下段には6つ引き出しのついた
キャスター付衣装ケースを入れた。


夫の部屋には、大型のTVと
カラーボックスがひとつ。
そして、本来の使用目的を
完全に無視されてるジョーバがある。
(勿体無いよねー!)



そして、もっともお気に入りの場所がココ↑
午後のひと時、リビングの椅子に座り・テーブルにパソコンを置いて
あれこれと作業をする。


趣味が高じて楽譜を扱うことが多いので、いまだに紙類とは縁が切れない。
色々な資料や辞書を広げていると、隣の椅子も床の上も全てが私の作業場になる。


ホントはもうひとつ、きちんとしたフローリングの部屋があるのだけど
そこにはプリンターを使う用事がない限り、あまり立ち入らない。
なんというか、普段使いの部屋とはまた違った 「空間」が家の中にあることが
たまらなく楽しい。


椅子に座って窓の外を見やれば、駅から発車して加速していく電車が見える。
ビルの下がバスの停留所になっているので、降車した乗客の話し声も聞こえる。
西側には綺麗な夕陽〜〜〜〜〜。


あぁ、やっぱり、この家が大好きだな・・・って今日もしみじみ思った。