ボク、丸刈り〜太!

毎度お馴染みの・・・ウチの「困った旦那」サマ。
産地は山梨なのに、性格は何故か思いっきりラテン系である。



いつでもどこでも ♪へいへいへい〜 とにぎやかにしているが
これがまた、突然、思い立ったように散髪に行ってくる。



しかも、予告なしにすっかり刈り上げてくるので
呼び鈴を押されて慌てて玄関に飛んでいくと
「知らないおじちゃんが立ってる…」と、ビックリしてしまう。



どうも夫がアタマを刈り上げてくると、その顔の丸さと体型に
「これはこれは、地蔵様が来なすった!」と
ありがたくって拝みたい思いになってしまうが
雨の降った夜など、自宅が駅から歩いて数分…なのをいいことに
店先の雨除けを伝いながら、傘をささずにタオルをかぶって走って帰ってくる。



まさに・・・リアル『かさ地蔵』だ。
(因みに、かさの数がひとつ足りなくて、おじいさんが頭に巻いていた手ぬぐいを
被せてもらった最後の地蔵様ね^^;)



さてさて。
そんな夫の行きつけのヘアサロンは
職場と自宅の中間にある「千円カット」のお店らしい。
電車の乗り換え駅にあるので、何かと便利なんだろうね。



結婚前はそれなりにお洒落だった夫も、今やすっかりシンプル実用派だ。
体重も当時より20キロ近く増えてしまい
人相も服装も、すっかり変わってしまった。



あの頃は月一でちゃんと理容室に整髪に行き、時にはパーマを髪にあて
格子柄のシャツの襟を、白いセーターからちょこっと出して
爽やかな青年を演出していたのになぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。



それが今では。。。
ボタンのある服など「腹がキツイ」とオフでは滅多に着ないし
「洗うの簡単〜。乾かし不要〜♪」と、通年、アタマを丸刈りにしてくるのだ。
丸刈りもいいけど、冬場なんて見ている方が寒そう〜って思ってしまう。



今夜も 「う〜〜〜〜さぶい、さぶい」と鼻の頭を赤くして帰宅し
コートを脱いで真っ先に風呂場に飛んで行き
「♪お風呂ぉ〜〜〜フロ〜ぉいで シェンネル ゲッテル フンケン…♪」と
第九を歌いながら、上機嫌で頭のてっぺんから足のつま先まで
石鹸ひとつでアワアワにしながら、極楽タイムを味わっている。



風呂から出たら、タオル一枚で上から下までするするっと拭いて
一丁あがりぃ〜!だ。
頭にタオルを被ったまま、テレビのリモコン片手に
「お夕飯は、なぁに?」と私の手元を覗き込む。



冷蔵庫からサラダを出して、と言うと
「♪サラダ・サラダ・サラダァ〜」と隣のスーパーの魚売り場に流れている曲を
がんがん歌う。。。



ホンットに、にぎやかだ。



ところで。
彼がバリカンで髪を刈り上げるようになったのは、今から15年前のこと。
歌の演奏会の前日に理容室に行き、「短めにカットしてください」と言ったら
ホントに思いっきり短くバリカンを入れられたらしく
スタッフも本人も 「あ〜ぁ」だったらしいが、あとの祭り…。



翌日、本番の幕が開きライトがついた瞬間に、客席からは
「…お坊さんがひとり、混じってる」と本気で思われたそうな。。。



職場に出社すれば、「何か悪いことをして、頭を丸めたのか?」と
周囲からマジで心配され、ついでに
「おい、早目に奥さんに謝っておけよ…」とも言われたらしい。
(・・・ってなんでいつもこのフレーズなのぉ〜!?)



更に、残業が続いて帰宅が深夜に及べば、「今頃、どちらへ?」と
町内を巡回しているお巡りさんに声をかけられ
「修行が辛くて寺から脱走した僧侶じゃないです、って言うべきだったかな」と
ボソッと呟いていた。



近所にね・・・某落語家の方も住んでいるから、僧侶っていうより
ソコのお弟子さんと間違われたんじゃないのぉ〜?って思うけど
どちらにしても、夫の「丸刈り」のきっかけは、本人の意思ではなかったらしい。



でも、その醍醐味を味わって以来
すっかり夫のお気に入りの髪形になってしまった。



たまには少し髪を伸ばしてみたら?と言ってみたけど
「面倒なことはヤダ〜。ボク、丸刈りマルガリータが好きぃ」と
後頭部のゼッペキをナデながら夫が言う。



カットして数日経てば少し伸びてくるけれど(↑写真をどうぞ♪)
いや〜〜〜、ホント、マジで見ている方が寒いから
今年のクリスマスプレゼントには、毛糸の帽子でも贈ろうかナ…。



帰宅したてのところ、無理矢理夫をつかまえて
「写真を一枚、撮らせてくれぇ〜」と、カメラのファインダーを覗いたら・・・
おやおや、「ボク、丸刈り〜太」クンの頭にも
随分、白いものが混じってきていた。



第九に加えて、♪ハレルヤコーラスのフレーズも響いていた風呂場に向かって
「夫クン、毎日、お疲れ様ぁ〜」って、さっき呟いてみたけど
勢いのよすぎるシャワーの水音と夫の独唱?で…聞こえんかっただろうな〜ぁ。



髪の毛、濡れたままだと風邪引くよ〜と言ったら
被っていたタオルでバサバサ〜っと拭きあげ
「はいは〜い、マルガリぃータ、丸刈りぃ〜タ!」と言いながら
タオルの端をひょいと振り回しながら、すとん!と洗濯機に投げ入れた。



にぎやかな夜はまだまだ続きそうだけど
夫のこの天性の明るさには、ホントに随分と助けられている。
ヒュ〜ヒュ〜♪だよ、全く、ね。