天気はいいけど

寒いねぇー。
とっても天気が良くて空も青いけれど、北から吹いてくる風が物凄く冷たい。
白い雲たちも大風に煽られて、ちぎれながら南の方角へと流されていく。





正月が明けてホッとしていたら、また週末から3連休。。。
先延ばししたくない用事もあったので、昼間の暖かい時間を選んで数時間
エイヤっ!と外出し、最寄駅から東に延びる私鉄に乗った。



その沿線には公立・私立合わせていくつかの高校や中学があり
朝夕にはそこそこ学生たちが乗りこんできて
上りも下りもちょっとした通学ラッシュになると
その路線を利用している友人が言っていた。



今はまだ冬休みなので、朝夕の電車は通学ラッシュにはならない様だが
それでも部活動に通うため、ぽつりぽつりと学生たちが乗りこんでくる。



向かいの広く空いている座席に、ふたりの女子高校生が座った。
オバハンには極寒の様に感じるこの冷たい風をものともせず
太ももぎりぎりまで短くしたスカートをはき、コートも着ないで出歩くなんて
一体、何を考えているんかね…と思ってしまう。



他に乗客もなく、ふたりは女子高生らしい話題をあれこれと口にしていたが
ちょうど小腹が空いてきた時間と見えて、鞄の中から「おやつ」を取り出した。
近距離路線内では車内での飲食ってあまり見かけない光景だけど
この路線の車内では、何故かいつも誰かが何かを食べていて、ちょっと面白い。



運動部の男子高校生たちがあんぱんを齧りながら
カップラーメンを手に乗車して来たり(←帰宅したら夕飯も食べるのかな)
6人がけの長い座席に一列に座ったおばちゃんたちは
端から「どうぞひとつずつ〜」って人形焼きを回して、もぐもぐと食べてたり
バナナを房ごと手にして、1本ずつ食しているおっちゃんや
駅ビルの地下で買い求めた握りずしを食している外国人もいた。



女子高生といえば、年代的にはまさに「箸が転がっても…」のお年頃。
甲高い笑い声と早口の合間に、何かをもごもごと食べている。
見るともなしに彼女らの手元を見て、驚いた!



そこには、コンビニで売っているおつまみ用小袋の「茎ワカメ」と
懐かしいパッケージに入った「酢昆布」が握られており
器用につまようじでツンツンと突き刺しながら食べている。



「やっぱサ〜、ヤバいじゃん。正月って食べ過ぎるよね。
ウチ、かなり太ったワ」
「アタシもー! 親にメシは要らネ〜って言ってんのに
正月くらいちゃんと飯食え!って元旦から怒るんだもん。ウゼーわ」
「それって、ヤバくね?」
「うん、超〜〜〜〜ヤバいっしょ」
「でも、餅ってウマイからサ。2個くらい食わねーと食った気しなくね?」
「そうそう!ウチも結構食っちまったしぃ。やっぱ今日から飯抜きしねーとな」
「ダヨネ〜〜〜」



・・・だそうだ。



見た目。
むしろ痩せてるくらいの体型なのに、ダイエットねぇ。。。
しかもあんなに短いスカートでは、身体がヒエヒエになっちゃうのに。
体を冷やすと、将来ろくなことがないよ〜。



自分が高校生の時のことを思い出しても、ひたすらご飯が美味しくて
信じられないくらい食べていたし、笑っちゃうくらい体重もあった。
就職して社会人になり、仕事をするうちにするする〜っと身体が締って行き
あっという間に体重も10キロ位落ちちゃったけど
それまでの「蓄え」があってこそ、きつい仕事を乗り越えられたのかも。



それを思えば、彼女たちの親の気持ちがよくわかる。
(年代的にも同じくらいなんだろうナ)
食べたら動けばいいんだから、まずはわしわし思いっきり食べて
一駅手前で電車を降りて、学校まで往復歩いてみろ!って言いたくなった。



毎日往復10キロ位歩いたら、相当体力も根性もつきまっせ!
自転車でも片道30分位なんだから、寒い時期は特にオススメよん。



私が下車する駅で、彼女たちも降り立った。
座席から立ち上がる時、スカートの上にこぼれ落ちた「酢昆布」の
白い粉をパパパっと払い落していたが、やっぱり素足は寒そうだ。



「超〜寒いんですけどぉ」と、ひとりが言い
「マジ、ヤバくね?」と、もうひとりが答えた。



ポケットに両手を突っ込んで階段を昇る彼女たちの脇をすり抜けながら
オバハンは心の中で、思わず答えてしまったよ。
「マジ、ヤバいっしょ。アンタらの身体がね!」とね。
あ〜ぁ、お天気はいいのにね。



:オマケ:

ミントをコップに挿しておいたら、あっという間に根が成長した。
グラスの向こうに夕陽があたり、キラキラ光ってとっても綺麗だった。