大したもんだ!

年齢は少し離れているけれど、「歌」繋がりのとても仲の良い友人がいる。
同じ市内に住んではいるが、彼女の住まいは駅から1時間に数本…のバスで
終点まで行き、そこから歩いて7〜8分。
バス停のある大通りからは、少し奥まったところにある住宅地の一角だ。



年齢的には一応、定年を迎え、職場との契約は一旦切れたものの
やはり、彼女の人柄と仕事をガンガンこなすそのバイタリティーに惚れ
再度、非常勤職員としての再雇用契約を結んだらしい。



「まだまだ元気なうちは、家にいてもしょうがないからねぇ〜」って
笑いながら言うけれど、良いことがあっても、そうでないことがあっても
いつもニコニコと笑顔を絶やさず、他人には絶対に意地悪をしないのだから
それだけでも、大したもんだ!と思ってしまう。



さて、先日、その友人から携帯に電話がかかってきた。
「あ〜、もしもし? 大変な毎日だと思うけど、風邪引いてない?
元気? ちゃんとご飯食べてんの〜?
アノネ、ホントはクリスマスの前に渡そうと思ってたんだけど
なかなか会う機会がなかったから、年が明けちゃったのよ。
今日の午後、家に居る? 今度、今度…って言ってるとズルズル延びちゃうから
今から行くね〜」と、相変わらず元気な声が聴こえてきた。



約束の時間きっかりに玄関のベルが鳴り、物凄い荷物?を抱えた友人が
扉の向こうに立っていた。
「はい、これ。遅くなっちゃったけど」と差し出されたものを見て驚いた。



クリスマス仕様の大きな袋に入った山の様なお菓子と
大きな箱に入った数々のチョコレート、それに加えて
「風邪引かないように、ビタミン摂ってね」と手渡されたミカンの袋に
「体にいいから食べなさい」とリンゴも沢山いただいた。



・・・凄んごい重さだ。
「は〜」と大きく息をして、友人は笑う。
「渡せてよかった〜。どうしてるかなと思って、気になっててね」と。



全く、真の友とはありがたい。
こちらは何も出来ないのに、いろいろと気にかけて下さる方々が
その時々にちゃんと助けの手を差し伸べてくれる。
本当にありがたいことだ。



「ご主人の車で送ってもらったのですか?」と聞いたら
駅前にある我が家まで 「歩いてきた」と言う。



「だってね、バス待ってたら時間が勿体ないって思ったし
5キロ位の道のりだったら、1時間も歩けば着いちゃうかな〜って思って」と。



ひゃ―――――――――――――――――――――――!!!!!!!



私たち夫婦よりも、一回り以上も上の方である。
しかも、空身ならまだしも、あれだけの重量を両手に持って…
「あらららららら・・・!」と、本気でビックリした。



「大変だったでしょう〜。ありがとうございます」と言ったら
「な〜んも、なんも。会えてよかった!」と素敵な笑顔を残して帰って行った。



実は、ウチが最終目的地ではなく
更にその先にある別のところにも用事があったらしく
ウチから2キロ程の距離をまた、鞄を襷がけにして歩いて行ったそうな。



ふと、若い時分にかなりの苦労をしてきたという彼女の話を思い出し
軸のぶれていない人生を歩んできた人の強さを、目の当たりにした気がした。
そして、本物のやさしさは強さの中に潜むものなんだなぁ〜と感じた。



半月遅れで我が家にやってきた女性のサンタクロース。
いただいたプレゼントの中には
夫と色違いの、とても可愛らしい今年の干支のマグカップが入っていた。



何だか勿体なくて、ずっと眺めていたいなぁ〜と思う反面
やっぱり、使おう!と早速コーヒーを入れ、温かい湯気を感じて楽しんだ。



おやおや、袋の中には手紙も同封されている。
丁寧に畳まれた便箋を広げて、温かいコーヒーを一口飲みながら文面を読む。
じわ〜っと身も心もほんわかした夜であった。



:オマケ:
夫が、母と私に
「はい、お年玉。遅くなっちゃってごめんね」と封筒を手渡してきた。
全く突然だったので、「え〜〜〜〜!」ってビックリ!



ありがたや〜!のサプライズ。
全く、夫も最近、更に大したもんだ!になってきた。