オトコのダイエット

昨日は 「春だなぁ・・・」と感じた土曜日だった。
何といっても、寒くない。
これって、凄いことだ。



お天気もいいし、お彼岸ということもあって
まずは母と夫と一緒に墓参へ。



家から遠くも近くもないところにある川を渡りながら
その両岸にいつの間にか咲いていた菜の花を見て
やっぱり植物たちの生命力って凄いなぁ〜と思った。



水面がお日様の光できらきらしていて、綺麗だね。
小さな鴨たち(←たぶん・・・)も行ったり来たり。
今回の大震災さえなかったら、ホントにのんびりした風景に見えたはずだ。



家の近くにある大きなお屋敷の庭には、1本の枝垂れ梅。
この暖かさで花が一斉に開き、満開になっている。
「あ、綺麗・・・」と思って足を止めた。



桜の花も綺麗だけれど、梅の花のピンク色も可愛らしいね。



さて。
思いっきり閑話休題



たまにはウチの夫クンのことを書いてみようと思う。
彼はホントに 「三男」を絵に描いたような人で
末っ子特有の性質が、そのまんま服を着て歩いているようなものだ。



それを 「可愛い」と感じるか、「鬱陶しい」と感じるかは
それこそ個人的な価値観もあるので何とも言えないが
とにかくあらゆる意味で、手がかかる大変なヤツだ!と思うことが正直多い。



しかし、そんな夫も職場ではバリバリ仕事をする。
就職のため18歳で東京に単身上京し、大学進学の夢も同時に叶え
昼間は働きながら夜間は大学に通い、6大学のひとつを4年きっちりで卒業した。



ここ一番!という時は、やることはやる。
これは、先月父が亡くなった時も、一連のことを通して凄く感じた。



ただ・・・。
根本が 「甘えっ子」なので、ちょっと甘えても大丈夫な人が出来てしまうと
べたべたべた〜〜〜〜〜〜っとひっつき、とことん甘えてしまうんだな、これが。



そのユルサが体型に出た。
勿論、本人の承諾を得て写真を掲載するが、半年前の夫はひどいものだった。
ホレ、まずはご覧あれ〜〜〜〜。
どーん!!!!!



この時、夫は限りなく87キロに近い体重だった。
身長は私と同じ168センチ。
当時、私は53キロ未満だったので、体重差は34キロもあったのよ。
うは〜〜〜。



多くのストレスがあったのはわかるけれど
休日などその反動で昼夜逆転の生活を繰り返し、スナック菓子を隠れ食いして
いくら注意しても(←40過ぎて女房にこんなことで注意されるなよ〜!って)
やめることなく、かえって私との口論も絶えなかった。
・・・私も疲れ果てて、家を出ようと思ったわよ。



ただ、生活を共にする者としては夫に対しても 「責任」があるので
妻としては徹底的にやることはやってからじゃないと
イザ!何かあった時には文句は言えない。



とにかく、彼がどう言おうが何をしようが、成人病が慢性化し
それこそついに寝たきりにでもなったりしたら、困るのは本人だろう。
要介護の家族をケアするのは、父一人で十分だ!と思った。
それだって23年間やってきたのよ〜。もう勘弁してよ!と。



彼が自発的に出来ないのであれば、強制ダイエットを施行するしかない!
まずは私のかかりつけ医に相談したところ
「あ、夜だけでも炭水化物を抜いてみたらどうですか?」と
ありがたいアドバイスが・・・。



それだけでホントに痩せるんかいな…と、私も最初は半信半疑だったし
「食べること」に関して制限を始めれば
夫は 「なんで? どうして? 少しくらい良いじゃない!」とお得意のゴネゴネが始まる。



・・・それが、あなたの意思薄弱なところなんだよっ!!!!と
何度声を荒げたか知れない。
それゆえに、彼は随分と心の中で大泣きしたと思う。



でも、私だって夫が憎くてやっているわけではない。
むしろ、彼の健康のことが気になって、何とかしなければ…と
目標体重を細かく設定して、心を更に鬼にしながら接してきた。



ただ、いくら家庭で食事を気をつけて、食事に目を光らせていても
外に出てしまえばそこまで管理は出来ない。
あとは本人の意思に任せるしかないのだ。



・・・数日たった頃、ちょっとした変化が現れた。
体重が85キロ台を示すようになり、その後も少しずつ数字が減っていき
ある日、とうとう79キロ台に突入した。



当初は、自分がダイエットするなんて絶対無理!と思いこんでいた夫も
日々の努力もあってか、どんどん体重が減っていくのを見て喜んでいるのがわかった。



今月半ば、とうとう夫の体重も74キロ台になり
数カ月ぶりに会った人からは 「なんか・・・痩せたね」と言われるようになったとか。
服を着ていてもその違いははっきりわかるようになったが、折角なので写真をば。



まだまだ経過の段階なので結果ではないけれど、今後も夫の身体のことを考えつつ
「美味しく食べてダイエット」は、今後も当面実施する予定である。



で、その夫クン。
この前の東日本大地震の時は職場にいた。
ビルの8階で仕事をしていたらしいが、誰もが想像していなかった揺れに
流石に彼も面喰らったという。



首都圏の交通網が止まってしまい、まさに帰宅難民のひとりになってしまったが
職場で一夜を明かすことをせず (…ってか、出来なかったのかなぁ)
新宿から自宅のあるさいたままで約30キロを歩いて帰って来た。



彼にとって 「歩く」ことは日常の中でも多くないので、相当きつかったと思うが
もし、ダイエットをしていなかったら87キロの体では心臓や足に相当負担がかかり
途中で具合が悪くなっていたかもしれない。



ある程度痩せてからだったので、これはこれでホントにありがたいことだったが
本人曰く、「…前はね、身体、重かったよ」だそうな。



それにしても、よく歩いて帰って来たもんだ。
私も新橋勤務だった時は、同期と仕事の愚痴を言いながら
上野まではよく歩いたものだが
20代の若さだったから出来たこと。
夫のその決断と行動には、かなり心動かされるものがあり
よくやった!とエールを送りたい心境になった。



凄いと思うよ、うん。



墓参の帰路、仙台在住の大切な知人夫妻に不足している食料を送ろう!と
とあるお店に立ち寄った。
どうにか 「営業所留め」で、宅配が届くようになったらしい。
報道でも買い溜め・買い占めのニュースが報じられているが
こんな時、普通のスーパーに行ってはダメだ。



お米も玄米から精米してもらい、必要な量を買うことが出来たし
パスタやそうめん、マスクなどもちゃんと購入出来た。
総量8キロ程の荷物を夫は苦もなく持参したリュックに入れて背負い
3キロ近い道のりを歩いて、宅配業者に発送依頼をかけてきた。



一緒に歩いて気がついたけど、無駄に流れる額の汗もなく、息切れもしていない。
この半年の間に、夫はかなり変えられてきたようだ。
体型ばかりではなく、根性も随分と据えられてきたと感じる。
・・・いや、元々、彼はそれを持っているのかもしれない。



ただ、夫の甘えが周囲の人たちの余計な気配りや先回りの善意によって
増長させられることになり、いつの間にか、本人も気づかぬうちに
自然に優遇されるズルサを身に付けてしまう結果になったのかも…と感じている。



夫は 「ごね得」という言葉をよく口にするけれど、わかっててやるのだ。
そして 「どうせ、あの人はああいう性格だから…」と周囲も夫に甘くする。



でもね。社会には一応、大人のルールと常識いうものがあり
それは幼少期から、親の手によって躾けられないとマズイんだよね。
(義母よ、ごめん!)



そのあたりは義母もかなり自覚しておられる様で
最近になって腹を割ってざっくばらんに話をするようになったが
バトンは、しかと受け取りましたぞよ〜!



夫をステキにするために・・・、いや、ステキな夫がきちんと輝くように
お手伝いできたら嬉しいな、と思う。
急激なダイエットは身体のみならず、こころにもあまりいい影響は与えないので
医師と相談しつつ、細かく目標を設定してこれからも続けていくけれど
あと半年後には、どういう結果が出ているか、楽しみだ。



夜は、30キロを徒歩で帰って来た夫に乾杯〜〜〜〜〜♪



一緒に食卓を囲んだ母が、夫に聞いた。
「ねー、ダイエットの秘訣ってなぁに?」



夫は間髪いれずに即答した。
「そりゃ、コワイ奥さんと結婚することですよ」だって。



を〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いっ!
なんちゅうことを!



でもま、何はともあれ夫クンよ、元気で長生きしておくれネ。
頼むよ!