晴天 恋しや〜

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし (古今53) by 在原業平



あぁ、全くだ・・・
と、私も思う。
やっぱりネ、時代や世の中が移り変わろうとも、変わらないものは変わらない。



冬の厳しい寒さが緩み、つぼみが少しずつ膨らんでくると
♪ 梅は咲いたかぁ〜 桜はまだかいなぁ〜 
と春の気配にうきうきし、白梅・紅梅、そして桃の花のピンクに目を細めるが
「桜」 はやっぱり日本人にとって、どこか別格!なのだろう。



1輪開花するごとに喜び、3分咲き、5分咲き、8分咲き・・・
そして満開になった〜〜〜!と私も携帯片手に写真を撮るのに忙しい。



いつもは酔っぱらったおっちゃんくらいしか座っていない夜の駅前のベンチにも
この時期だけはそれなりに 「花見客」が群れている。



咲いたね〜〜〜〜。
満開だよー。



今年はどこか Jishuku ムードが高まり
何となく行き過ぎたものを感じることもあるけれど
公園の夜桜ライトアップが中止になった分、駅前ロータリーの灯りが
いいあんばいに桜の木を照らし、物凄く綺麗に満開の桜を演出している。



このところ、特にこの週末はお天気に恵まれず
強い風が吹いたり、雨が降ったり・・・と残念な花見の時期になった。



実は・・・今年こそ〜!と密かにソウルはヨイドの桜祭りに出かけよう〜と思い
事前に格安な飛行機+ホテルの申し込みをしていたのだけれど
今回の地震とその影響があまりにも大きかったことと
何よりも母の手の手術の時期が重なってしまい、きっぱり断念した。



去年は行った時期が少し早すぎて、レンギョウはたわわに咲いていたけれど
桜はまだまだ・・・だったのよね。
それでも 「桜祭り」の準備は整っていたので、見られない悔しさが何となく募り
来年はきっと見よう!と思いながら帰ってきたんだっけ。。。



花はね、時期があるのでソコ!に当てないと、一番いい時を見過ごしてしまう。
そして盛りではあっても、空がすっきり晴れていないと
特に桜の花の色は、どこかボケてしまうので、それがとっても残念なのよね。



昨日も一昨日もその前も、空は白濁した曇り空だった。
オマケに風が強くて埃と花粉が凄い勢いで舞い上がり
大気も黄色く淀んでいたっけ。



おかげで目や喉を直撃され、外出時にはマスクが手離せなくなったけど
どういうわけか、私は目や鼻・喉ではなく耳がカイカイ・・・だ。
花を愛でることも大好きだけど、もしかして・・・



桜の花の花粉も人体に影響するのかしら、ね。



ウチの近所の桜は今一歩、まだ満開にはなっていないけれど
7階のバルコニーに置いてあるメダカたちの水槽の中に
ひらりと風に乗って、どこからか桜の花のはなびらが一枚舞い降りてきた。



桜、散るんだ・・・なんて当り前のことを思い
間もなくやってくる花吹雪のことを思った。



今年も青い空に映える薄いはなびらを下から見上げ、春を全身で感じたかったな。



そうそう。
去年までは車椅子に父をのせ、桜の木の下に連れて行き
「お尻が痛くなったよぅ」と言われるまで、沢山お花を眺めていたのに。。。
もうその父も居ないんだっけ。



早々と行く春を惜しむ気持ちが起こり、ちくん!と感じる痛みがあった。
水槽の水面に映る空は、今日も曇り・・・。



せめて1日くらい、穏やかな青空の日があってもいいのになぁと思いつつ
エサを食べに浮き上がってくるメダカたちを、ボ〜〜っと眺めてしまった。